concept
手入れの行き届いていない森林は木々のみが生い茂り、空を塞いでしまう。
この森には光が入らず薄暗い空間が広がる。
光が差し込まないために草花が生えることもなく地面が露出し、
雨で表土が流出するなど問題を引き起こす。
人々の木を利用することで、間伐が行われ、森林に空があけられる。
間伐が行われた切り株の周りには光が差し込み、
草花たちが息づき、生物たちも現れる。
この木漏れ日が落ちる空間は
他の生き物たちだけでなく人間にとっても心地よい空間となりうる。
この空が開き、光が落ちる空間の一部を切り取って、パヴィリオンを設計する。
間伐されて残された切り株に空間(pavilion)を接ぎ(graft)、
周りの環境に合わせて空間に自らを形作らせることで
生物たちの多様性を保ちつつも
人間に今までにないアフォーダンスをもたらす空間が現れる。